日本禅宗史への扉

【禅と粥】

禅の修行道場では小食〈しょうじき〉(朝食のこと)に粥を食す。釈迦が苦行中に村娘スジャータから乳粥などの供養をうけたこと、中国の朝食は粥であったことなどが由来のようである。

 

道元は『赴粥飯法〈ふしゅくはんぽう〉』の中で、粥食の10の利点について触れている。

  1. 血色を良くする
  2. 力を与える
  3. 寿命を延ばす
  4. 苦痛がない
  5. 言葉がはっきりする
  6. 胸のつかえがなくなる
  7. 風邪が治る
  8. 空腹が癒える
  9. 喉の渇きが消える
  10. 便の通じが良くなる

また、真心こめて調理され、準備された食事の心得や作法を示しており、食事のために僧堂に赴く作法も示している。