研究テーマ
日本禅宗の地方・地域的展開を研究テーマとしている。中世から近世にかけての地域社会と宗教との関連を考察することは、当該期の歴史を構築する上で急務である。とくに、京都、鎌倉のみならず、各地に展開した禅宗と地域社会との関連の解明は重要課題であるにもかかわらず浄土教系の展開や一向一揆の研究などに比べると等閑視されがちであった。そこで、鎌倉・南北朝期における武士団と禅僧・禅寺との関係、在地領主による禅寺の建立の意義、下剋上の時代の禅僧・禅寺の機能、祈祷、受戒会、葬祭などの活動を通じての在地の農民や職人などの民衆との関連、戦国大名の領国支配との関係、曹洞宗の永平寺総持寺の本山化の過程、朝廷の権威との関連、徳川幕府の宗教統制と寺院、村むらへの展開の中で迎えた近世の寺請制度や本末制度の成立過程、島原の乱後の禅寺建立の意義、近世社会の中での活動や機能、山伏との対立、村人との矛盾の発生の問題、各時代における禅僧たちの思想と行動などについて、寺院の史資料の調査を進めつつ考察することを課題としている。
2000年以降に発表した著書・論文等
著書・論文・ その他の区分 |
著書・論文等の名称、発行所・発表雑誌・学会等の名称、 共著の場合の編者・著者名、該当頁数 |
発行・発表 年月 |
著書(共) | 『永平寺史料全書』禅籍編 第1巻 大本山永平寺 | 2002.06 |
著書(共) | 『永平寺史料全書』禅籍編 第2巻 大本山永平寺 | 2004.12 |
著書(共) | 『永平寺史料全書』禅籍編 第3巻 大本山永平寺 | 2005.06 |
論文(単) | 「戦国期の禅宗寺院と地域権力−住持の「出寺」の問題を中心に−」 戦国大名から将軍権力へ 吉川弘文館 22頁 | 2000.03 |
論文(単) | 「中・近世における木下道正庵と曹洞宗教団」道元禅師研究論集 大本山永平寺 | 2002.06 |
論文(単) | 「中世における出世道場としての永平寺・総持寺−天文の論旨の問題を中心として−」『宗教学論集』23 駒澤宗教学研究会 | 2004.03 |
1999年以前に発表した主な著書・論文等(他多数)
著書・論文・ その他の区分 |
著書・論文等の名称、発行所・発表雑誌・学会等の名称、 共著の場合の編者・著者名、該当頁数 |
発行・発表 年月 |
著書(単) | 『禅宗地方展開史の研究』 吉川弘文館 715頁 | 1988.12 |
著書(共) | 『永平寺史上』 大本山永平寺 永平寺史編纂委員会 335/714頁 | 1982.09 |
著書(共) | 『禅とその歴史』 ペリカン社 390頁 | 1999.08 |
論文(単) | 「禅宗寺院と地域社会」 戦国東国社会論 吉川弘文館 23頁 | 1990.12 |
論文(単) | 「中世後期における禅僧・禅寺と地域社会」 歴史学研究(1981年度別冊特集) 15頁 | 1991.11 |
論文(単) | 「林下禅林・朝廷・大名」 中世の発見 吉川弘文館 35頁 | 1993.04 |
論文(単) | 「村の寺院と村人の戒名−武蔵橘樹郡江ケ崎村−」 荘園と村を歩く校倉書房 32頁 | 1997.06 |
教育活動
日本史史料講読、日本文化史、日本史特講V、演習T・U(近世) 〔大学院〕日本史学特講W、日本史学演習W、日本史学特殊研究W | |
授業の進め方 | 学生を史料(古文書・金石文・景観等)に向かい合わせることによって、読解力・分析力を養い、歴史を総合的かつ論理的に思考することができるよう指導した。 |
課外活動との関わり | 学生の自主性を重んじつつも、史料調査の実践を通じて、総合的な判断力・分析力を養い、自らの意見を的確に述べ、文章表現ができる力を養い、社会人としての素養も身に付けるよう指導した。 |
大学院の授業 | あり |
年月日 | 概要 | |
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む) | ||
2005. 5.10以降 | 古文書史料の超拡大コピーを黒板に掲示しての授業 | |
2 作成した教科書、教材、参考書 | ||
2005. 5.10 | 古文書史料の超拡大コピー | |
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等 | ||
4 その他教育活動上特記すべき事項 | ||
2003.11. 3 | 埼玉県立博物館にて平林寺史料について講演 |
最近の研究活動、学会等および社会における主な活動等
(1)所属学会 | 地方史研究協議会、駒沢史学会、戦国史研究会、日本史研究会、歴史学会 地方史研究協議会常任委員(1982.10〜1996.9)、委員(1996.10〜)、駒澤史学会委員(1982〜)、同会会長 (1999.6〜2002.6)、戦国史研究会委員(1987〜)、日本歴史学協会委員(1997〜2001.6)、同会常任委員(2001.7〜) |
(2)国際会議への参加 | |
(3)共同研究・チーム プロジェクトへの参加 |
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(4)留学 | |
(5)社会活動等 | |
(6)外部資金の受け入れ | |
(7)学内特別研究助成 |
最近の大学運営活動
大学院日本史学専攻主任(1996.4〜1997.3) 歴史学科主任(1999.4〜2002.3) 教務部長(2002.4〜2006.3) |