1.『永平寺史』の編纂
いまから30年近く前の昭和55年(1980)に厳修された二祖国師・懐奘禅師七百回大遠忌を記念して、『永平寺史』上下巻が同57年に刊行されました。上下巻あわせて1700ページに及ぶ大部の通史編です。
その時の編纂組織は、櫻井秀雄師を委員長に、委員は河村孝道師、編集員は石山力山・吉岡博道・熊谷忠興・吉田道興の各師と廣瀬良弘でした。この折、駒澤大学の学生を中心に、それまで未整理であった古文書の調査・目録作成・マイクロ撮影が行われて寺史編纂に資されたのです。この時の古文書調査は、永平寺の歴史に数多くの新しい事実をもたらしました。
2.『永平寺史料全書』の編纂
上記『永平寺史』の刊行から歳月はめぐり、道元禅師七百五十回大遠忌を迎えるにあたり、平成7年(1995)に大遠忌事務局が発足し、文化事業専門部が設けられました。同部には、広報班・強化推進班・国際班・出版班が組織され、出版班の事業として『道元禅師研究論集』等の出版とともに、『永平寺史』(近現代通史編)の再編纂と『永平寺古文書』の編纂が加わり、後二者は平成14年(2002)の大遠忌を起点に継続事業としていくことが決定されました。
これまで禅籍編(1〜4巻)を出版しておりますが、刊行計画の全容を示せば、以下の通りです。
- 『禅籍編』(永平寺所蔵禅籍の集成、元禄年間まで。写真掲載)
- 『文書編』(永平寺文書を編年に集成、近世末まで。元禄年間まで写真掲載)
- 『文化財編』(永平寺所蔵の絵図・聯・墓石などの金石文を集成)
- 『寺外編』(永平寺関係史料を全国的に集成、元禄年間まで)
- 『道正庵文書編』(永平寺所蔵の道正庵文書を編年に集成、近世末まで。元禄年間まで写真掲載)
- 『東京別院文書編』(永平寺所蔵の東京別院文書「曹洞宗宗務局文書」の集成)