良弘「走々」散文(陸上競技部部長として)

 

出雲・全日本から箱根駅伝へ

 駒澤大学陸上競技部後援会の皆様、おかげさまをもちまして、全日本(伊勢路)大学駅伝、3年ぶりに優勝することができました。これも、一重に皆様方の厚い厚い応援の賜物です。ありがとうございました。

 

 10月10日の出雲大学駅伝では、1区の一年生の村山君が13位と出遅れたことが、後続の選手に影響を与え、東洋大に独走を許してしまいました。しかし、アンカーの窪田君の区間賞の頑張りにより、早稲田を抜き、トップの東洋に26秒差まで迫り、準優勝で終わることができました。

 

 11月6日の全日本大学駅伝では、1区撹上君が3位と好スタートを切り、2区の村山君が出雲のリベンジを見事に果たし、明治鎧坂・早稲田大迫選手などの並みいるスーパーエース達を尻目に中盤からスパートし、トップに踊り出、独走態勢に入りました。以後、由布・上野・久我の3君が連続区間賞の走り、とくに、5区久我君は監督が求めたタイムよりも、35秒も早いタイム。

 

 中村君も区間3位、7区高瀬君も区間賞の走りで、アンカー窪田君に繋ぎました。窪田君もタイムをきちんと刻み、東洋の柏原君の猛追を受けましたが、無難な走りで優勝のテープを切りました。総合5時間15分46秒。監督目標より26秒遅いタイムで、ほぼ、予想通りのレース展開でした。全8区のうち4区で区間賞を取ったことも、見事でした。

 

 私たち駒澤大学陸上競技部は、今年の箱根駅伝は、1月3日、3位でゴールいたしましたが、翌朝、4日午前6時から、来年の箱根に向けて、練習を開始いたしました。

 

 途中、3月11日には、東日本大震災という未曽有の大災害に遭遇し、犠牲になられた方々のご冥福を祈り申し上げ、ささやかですが、募金活動などにも参加させてただき、一日も早い地域の復興をお祈り申し上げつつ、私どもが一生懸命走ることをお見せすることも、被災された方々のお力に繋がるのではないかと考えて練習してまいりました。

 

 駒澤大学陸上競技部は、道元禅師の「只管打坐」(しかんたざ、ただひたすらに打ち坐る)のみ教えに則り、ただひたすらに打ち走り、打ち走り続けてまいりました。また、この走るという実践の中にも、大きな学びがあると信じ、精進に精進を重ねてまいりました。そこに、建学の理念の「行学一如」の精神があり、教育の原点があると存じます。

 

 さて、大八木監督、高橋コーチの厳しさのなかに、思いやりのある指導が実り、優れたランナーの基準とされます1万メートル28分台の選手が昨年は1人2人であったのに対し、ことしは、7人もおります。日ごろの精進がいっせいに開花してきたという感じです。この実績を引っさげて、選手・スタッフともども一丸となって来る箱根駅伝に臨む所存です。応援のほどよろしくお願い申し上げます。

 

平成23年11月29日

駒澤大学陸上競技部 部長

文学部教授 廣瀬良弘