良弘「走々」散文(陸上競技部部長として)

 

同窓の皆さんからのご声援への御礼(2009年)

 2009年、正月、今年の箱根駅伝は同窓会の皆様をはじめ、駒澤大学関係の皆様の厚いご声援をいただきましたにもかかわらず、13位に終わり、シード権を失うという、思わぬ展開となりました。厳しい状況の大学で、せめて箱根で明るいニュースをと期待してくださった方々も少なくなかったでしょう。しかし、作戦上、明かせませんでしたが、宇賀地君と並ぶエースで、昨年、早大を2分詰めて優勝に貢献した深津君が故障で欠場という事態に、ただでさえ1人〜2人の戦力不足が感じられていましたので、目に見えない動揺が走っていたかもしれません。第1区は19位と出遅れましたが、差は1分程度であったので、ペース配分を守り後半のスピードアップさえはかっていければと思いましたが、最後まで好転しませんでした。ただ、8区高林君の区間賞はみごとでした。

 

 4年生のキャプテン池田君は9区3位、アンカー太田君もしっかりとした走りでゴールしました。主務の高野君、女子マネージャーの長島さんをはじめとする4年生はバックアップにまわってくれた学生諸君をよくまとめ、コーチ・OBの皆さんの協力を仰ぎました。4年生の時代は箱根5位・7位・優勝・13位、伊勢路は3連覇と波乱万丈の4年間でした。3年生以下はこれらのすべてを向上のための良き財産として受け止めています。

 

 一昨年の優勝校の順天堂大の助教授の計算によると正月三が日の視聴率の1位と2位は箱根駅伝で、あれだけ、大学名を出そうとすると19億円近くの費用がかかるそうです。どこの大学も優勝を目指してヒートアップしており、雑誌AERAに「学長室の攻防戦」の見出しが躍っているほど、力が入っています。東洋大・早大しかり、明大・青学大も箱根出場を果たしておりますが、一方で予選落ちした常連校もありました。このような中で、大学当局の援助とともに同窓の皆様にも物心両面の応援を今まで以上にお願い申し上げる次第です。

 

 それはともかく、同窓の皆さんが勝敗にかかわらず、遠くから近くから、また、遠くまで駆けつけて、暖かいお声を掛けてくださる。これ以上の「励まし」はありません。なによりも力になります。

 

 仏様・神様は我がチームに再生・復活のための試練をお与えになられたのだと思います。大八木監督率いる駒大陸上競技部は翌日の1月4日6時から例年通り、勝っても負けても、来年の箱根をめざして練習を開始いたします。この精進振りは私たちの誇りとするところです。原点からのスタートを切りましたことをお知らせし、御礼のことばにかえさせて頂きます。

 

駒澤大学陸上競技部 部長 廣瀬良弘

(同窓会ホームページに掲載のものと若干異なります)